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租税条約のプリザベーションの原則と
セービングの原則
(国際税務コラム_2019/8/20)

条約は一般に国内法に優先して適用されるものと日本国憲法において考えられているため、租税条約の規定は国内税法の規定に優先して適用されることとなります。但し、租税条約は各国の課税権を制限することにより、二重課税を排除することを主たる目的としているため、租税条約で定められた税負担が国内税法で定められたところのものよりも大きかった場合に租税条約を締結することにより、条約締結国の納税者の税負担が増加することは租税条約の目的とするところに反することになります。

このような事態を防止するために存在する租税条約適用上の原則がプリザベーションの原則になります。すなわちプリザベーションの原則とは、条約締結国が国内法上有する租税についての減免措置または納税者にとって有利な国内法上の規定は、租税条約の適用によって損なわれないという原則になります。

なお日本がアメリカとの間で締結している日米租税条約では、以下のような形でこのプリザベーションの原則を確認的に規定しております。

第1条(条約と国内法との関係)

2 この条約の規定は、次のものによって現在又は将来認められる非課税、免税、所得控除、税額控除その他の租税の減免をいかなる態様においても制限するものと解してはならない。

(a)一方の締約国が課する租税の額を決定するに当たって適用される当該一方の締約国の法令

(b)両締約国間の他の二国間協定又は両締約国が当事国となっている多数国間協定

プリザベーションの原則とともに重要な租税条約の原則の一つとして、セービングの原則があります。これは、自国の居住者に対する自国での課税関係は、租税条約の規定の影響を受けることはないとする原則になります。

すなわち、セービングの原則とは租税条約はあくまで条約締結相手国の居住者に対する源泉地国での課税を制限することにより、国際的な二重課税が生じる事態を回避することを目的としているため、自国の居住者に対する課税関係は租税条約の締結の有無により影響を受けないものとする原則になります。

以上のように租税条約には、プリザベーションの原則とセービングの原則の2つの重要な原則があり、国際税務を理解する上で租税条約のこの2つの重要な原則を理解することは欠かせない事項になります。

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