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移転価格税制の問題点はビジネス部門も認識する必要(国際税務コラム2018/4/6)

移転価格税制の対策には通常の他の税制と異なり経理部門だけでなく、実際にビジネスを行う部門においても当該税制について理解をすることが、有効な対策を行うためには不可欠ということができます。このコラムでは移転価格税制については、何故ビジネスサイドも認識をする必要があるかについて解説致します。

移転価格税制は国外の関連企業との通常のビジネスで行われる取引価格そのものが問われる

 

通常他の税制であれば関連会社間の取引のような一部のものを除き、取引条件そのものが問題になることはなく、実施された取引に基づき必要な会計処理及び税務調整が適切に行われている限りにおいては特段問題となることはありません。また取引条件そのものが問題となる関連会社間取引においても、不動産や非上場株式の売買といった限定された取引を除き税務上重要な問題が発生するケースはなく、通常のビジネスを行っている限りにおいては国内の関連会社間取引により税務当局から否認されるといった事態はあまり想定されないことと考えられます。従って、経理担当者だけ理解していれば通常の税務処理については対処可能と考えられます。

一方移転価格税制については、国内の関連会社間取引であればあまり問題とならないような通常のビジネス過程で行われている取引についての取引価格そのものが問題として税務当局より問われるため、取引条件を決定するビジネス部門の税制に対する理解が欠かせないこととなります。

ここで、何故国内の関連会社との間で行われているのであればあまり問題とならない通常のビジネスにおける取引価格の妥当性が国外の関連会社との間で行われた場合には税務上の重要な論点となるかについては、国内の関連会社間同士であれば仮に取引価格を操作し一方の所得が減少したとしても取引相手方の所得がその分増加するため、日本における全体の所得の観点では増減ししません。一方、国外の関連会社との取引の場合には取引価格を操作し日本の法人の所得が減少することにより、取引相手方の所得はその分増加することになりますが、その取引相手方は国外の法人であるために日本における全体の所得の観点では減少してしまうことによります。

従って税務当局の観点からは国外との取引の場合、関連会社間の通常のビジネスでの取引価格が日本における法人税の納税額に影響を与えるため、国内の関連会社間で行われる取引と比較するとはるかに関心が高くなるということとなります。上記のような移転価格税制の性質から移転価格税制の本質は、国家間の税金の取り合いであるといった表現がなされることがあります。

 

移転価格税制の対策にはビジネス部門と経理部門の連携が不可欠

但し、移転価格税制の対策の必要性はビジネスの理解も不可欠といっても実際には、税務と通常関連しないビジネス部門において移転価格税制の詳細を理解し、必要な対策を個別に講じることはビジネス部門にとっては過重な負担になるものと考えられます。このような場合、ビジネスサイドから経理部門に国外の関連会社との取引に関する情報を集約し、経理部門で外部の移転価格の専門家と適宜連携しつつ必要な対策を講じることが実務上効率的な対応体制であるものと考えられます。

【当事務所サービス】                              当事務所では、移転価格税制に関する以下のようなサービスを提供しておりますので、お困りの際は随時以下のお問合せフォームよりご連絡ください(ご相談については、本契約締結までは無料になります)。                          

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