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タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)

2018.4.21ソフトバンクのタックスヘイブン対策税制939億円の申告漏れについて

最近国際税務に関連するトピックとして、新聞報道等で大きく取り上げられた事柄の一つとして、ソフトバンクのタックスヘイブン税制939億円の申告漏れ報道があります。本コラムでは新聞報道などの公表されいる情報をもとに何故このような事態が発生したか、当該事例をもとに海外展開を行う中堅・中小企業が留意すべき事項について考察します。

国際税務の問題としては非常に初歩的な誤りの印象

新聞報道によるとスプリントやブライトスターがバミューダ諸島やシンガポールに子会社を所有しており、その子会社がタックスヘイブン税制の適用を受けたものとされております。バミューダ諸島やシンガポールは軽課税国の典型例でその国に子会社が存在すればタックスヘイブン税制の適用を受けるかについて検討しなければならないというのは、国際税務について多少の見識がある方であれば当然に思い浮かぶ事項かと思われます。

また、今回タックスヘイブン税制の適用を受けたバミューダ諸島やシンガポール所在の会社はスプリントやブライトスターの子会社であり(ソフトバンクグループから見ると孫会社やひ孫会社)、親会社であるスプリントやブライトスターは日本のタックスヘイブン税制の適用を受けていない訳ですが、たとえタックスヘイブン税制の適用を受けない海外子会社を通じて株式を所有した場合であっても、孫会社やひ孫会社がタックスヘイブン税制が適用される要件を満たす会社である場合には、当該孫会社やひ孫会社に対し日本でのタックスヘイブン税制が適用されることになります。但し、このことについても国際税務について多少の見識がある方であれば特段目新しい事ではないように感じられます。

以上のことから、本件に関する一連の新聞報道で報じられている内容を見る限りで受ける印象は、国際税務に関する非常に初歩的な誤りといったもので、事実仮装・隠ぺいを伴う意図的な税逃れには該当しないものとして、本件では重加算税は課されないものとされております。

日本でのタックスヘイブン税制での追徴事例の大半は意図的な租税回避というよりは、タックスヘイブン税制に対する認識不足に起因する単純な誤りと思われますので、今回の追徴事例については重加算税も課されていない以上悪質なものと税務当局からは認識されておらず、金額の大きさと追徴を受けた会社がソフトバンクという超大企業であるという点を除けば、海外展開を行う中堅・中小企業においては類似のことが頻繁に起こっているであろう追徴事例であるものと考えられます

 

 

タックスヘイブンの初歩的な誤りが何故超大企業で発生したか?

本件がタックスヘイブン税制についての初歩的な誤りであるとした場合、では中堅・中小企業ならともかく何故日本を代表するような超大企業でこのような初歩的な誤りが発生したのかについて考察致します。今回のケースが発生することを防止するためには、社内の担当者及び関与税理士が以下の2点を認識している必要があるかと思います。

  1. スプリントやブライトスターがバミューダ諸島やシンガポールに子会社を所有していたこと
  2. シンガポールやバミューダ諸島がタックスヘイブン典型的な軽課税国であり、海外の子会社を通じて孫会社やひ孫会社の株式を所有する場合であっても日本のタックスヘイブン税制の適用可能性を検討する必要があること。

まず社内の税務担当者についてソフトバンクのような上場もしている超大企業であれば、連結財務諸表作成にあたって海外子会社も含む資本関係図が当然必要になるため、1を経理担当者が全員認識していないということはおよそ考え難いことかと思われます。一方、2については社内の税務担当者に税理士法人等での国際税務の関与経験がある担当者がいなければ全員認識していなかったという可能性は考えられます。

一方、関与税理士についてこのソフトバンクのクラスの超大企業であればほぼ間違いなく所謂BIG4(PWC,KPMG,EY,DTT)のいずれかが関与しているものと考えられますので、関与税理士が全員2について認識していなかったということはおよそ想定しにくいことであるものと考えられます。一方、1についてはどうかというと特にBIG4のような大手の税理士法人は企業から提出を受けた資料の範囲に責任を限定し業務を行う傾向があるため、提出を受けた資料に資本関係図が含まれていなかった等の理由で1については認識していなかったというケースは充分に考えれます。

以上をもとに本件のようなタックスヘイブン税制の初歩的な誤りが発生した背景としては、以下の2点があったのではと考えられます。

  1. 社内に国際税務についての充分な経験を有する専門の税務担当者を配置していなかったこと
  2. 社内の担当者と関与税理士の情報連携が有効に機能しておらず、関与税理士がソフトバンクGの海外子会社の状況を充分に把握していなかったこと(当然関与税理士は国際税務に精通していることが前提になります)。

本件のような初歩的な誤りによる追徴事例を防止するためには、上記2点とも充足している必要はなく、どちらかを充足している限りにおいては防止することが可能であるものと考えられます。

国際税務に精通した税理士と企業との密なコミュニケーションが追徴課税の防止に必要

繰り返しになりますが、本件のような国際税務に関する初歩的な誤りについては一部の超大企業の問題というよりは海外展開を行う多くの中堅・中小企業が特に留意すべき事項と考えられます。

それでは海外展開を行う中堅・中小企業がこのような追徴課税を行うために有効な対策ですが、まずコスト面を度外視して考えるのであればやはり最善の方法は社内に国際税務に精通した税務専門化を配置することになります。社内に税務の専門家がいることにより社外の税理士が関与する場合と比較し、企業内の情報を適時に把握し有効な対策を行うことが可能となります。

但し、この対策はあくまで大企業向けの対策であり国際税務に精通した税務専門家の転職市場での採用コストを考慮すると、海外展開を行う多くの中堅・中小企業にとっては費用対効果の観点から過重な対策であるものと考えられます。従って多くの中堅・中小企業にとって、費用対効果の観点から採用しうる有効な対策としては、社外の国際税務に精通した税務専門家を活用し、企業経営の動向を逐次情報共有しつつ、有効な国際税務に関する税務調査対策を共同で行うことが現実的な対応であるものと考えられます。

当事務所では、たとえ遠方の企業様であってもE-mailやSkype等も適宜活用しつつ企業様の経営動向に関するコミュニケーションを密に行うことで国際税務に関する税務調査のための有効な対策をご提案致しますので、海外展開を行い国際税務に関するリスクが気になる企業様については是非ご相談下さい。

【当事務所サービス】                              当事務所では、国際税務に関する以下のようなサービスを提供しておりますので、お困りの際は随時以下のお問合せフォームよりご連絡ください(ご相談については、本契約締結までは無料になります)。                          

  • タックスヘイブン対策税制や移転価格税制による否認リスク低減のための対策案の立案
  • タックスヘイブン対策税制において作成が求められる法人税申告書別表の作成(別表十七(三))

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