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外国法人の恒久的施設(PE)の基礎的事項

恒久的施設(PE)の基礎的事項_目次(2019.02.06更新)

1.恒久的施設(PE)とは?

恒久的施設(Permanent Establishment=PE)とは「事業を行う一定の場所」のことで、典型的なものには支店や工場といったものがありますが、概念的には大分幅広い概念で支店を設けずにエージェント経由で国内でビジネスを行っていた場合にそのエージェントが企業のPEであるとして認定されるケースや子会社経由で親会社が国内でビジネスを行っていた場合にその子会社が親会社のPEとして認定されるといったケースがあります。なお、いわゆる「PEなければ課税なし」という言葉がありますが、PEが日本国内にない場合には、日本国内の不動産の譲渡といった一部の所得を除く企業がビジネスを行うことによる獲得する事業所得については、日本国内において課税されないこととなります。

2.恒久的施設(PE)所得の計算方法

PEの中で最も一般的なものと思われる支店などは海外の親会社の一構成要素になりますが、その損益の計算に当たってはあくまで親会社から独立した存在であるものと擬制され、本店との間の内部取引も認識した上でその損益を計算します。これを帰属主義といいます。なお本店との間の内部取引を行う際の価格の算定については、移転価格税制の考え方に従い価格の算定を行う必要があることに留意が必要になります。

3.恒久的施設(PE)認定回避行為の規制強化

上述のようにその事業を行っている国にPEがなければビジネスを行ったことにより発生する事業所得についてその国で課税されないことから、多国籍企業による租税回避策として形式的にPE認定の要件を充足しない形態をとることによりPE認定を回避し、事業を行っている国で課税されることを免れるという事態が国際的に問題となりました。そのような多国籍企業による租税回避策に対処するため、OECDではBEPS(Base Erosion and Profit Shifting=税源浸食と利益移転)プロジェクトの一環として「行動7 PE認定の人為的回避の防止」の最終報告書を2015年10月にまとめました。

ここでは従前倉庫業者以外はPE認定されていなかった倉庫や、委託者名義でなく自己の名義で取引をするため代理人PEとされていなかった問屋(コミッショネア方式)等を利用しPE認定を人為的に回避する行為が問題視され、このような行為を防止するため租税条約上のPEの定義を変更することが提言されました。なお日本においても平成30年度の税制改正により、OECDのBEPS行動計画による提言に従う形での税制改正が行われております。

このようにPE認定の人為的回避を防止する行為については国内外において規制が強化されていることから、外資系企業で今まで形式的に日本におけるPE認定を回避していた企業あるいは日系企業で海外において形式的にPE認定を回避していた企業については、今後現地の税務当局によりある日突然PE認定されることで現地における納税を行うことが余儀なくされる事態が発生する可能性があることに留意が必要になります。

4.恒久的施設(PE)所得の計算方法の総合主義から帰属主義への変更

これまで日本の法人税法では、恒久的施設(PE)の課税にあたり、すべての日本の源泉所得(国内源泉所得)を総合して課税対象とする総合主義を採用しておりましたが、平成26年度税制改正ではこれを、国内源泉所得という枠ではなく、日本国内に所在するPEに帰属する全ての所得を課税対象とする帰属主義に改められました。

この改正の背景にあるものが、OECDのBEPSプロジェクトにおけるAOAアプローチ(Authorized OECD Approach)になります(OECDのBEPSプロジェクトについてはこちらをご参照)。これは、PEを本店から独立したあたかも独立した企業であるかののように擬制することによりPEに帰属する所得を捉えるもので、帰属所得の計算に当たっては、移転価格税制における基本概念である「独立企業原則」に基づくことを求めるものになります。すなわち、PE帰属所得の算定にあたっては、本店との間の内部取引を認識するものとし、当該内部取引の際の取引金額は仮に独立の事業者間で取引が行われた場合に付されるであろう取引価格を付すものとされております。

5.本店と恒久的施設(PE)間の送金の取り扱い

PEの開設のため、外国法人の本店から資金の供与があった場合やPEから本店等への剰余金の送金があった場合には、資本等取引として認識され課税対象外の取引とされます。日本の子会社が海外の親会社に剰余金の配当を行った場合には、配当を支払った日本の子会社サイドでは損金には算入されない一方、配当金を受領した海外の親会社については親会社所在国の税制にもよりますが、通常一部もしくは全てが課税対象となることから(日本の場合には、海外子会社から配当金を受領した場合には、配当の95%部分が免税)、日本で稼得した利益の海外親会社への送金という観点からは子会社形態より支店形態のほうが有利であるものと考えられます。

なお日本の企業が海外に進出する場合には、子会社と支店形態を比較すると税務的には大抵の場合子会社形態が有利になりますが、外資系企業が日本に進出する場合にはこの子会社形態の優位性は薄れるものと考えられます。理由としては日本の法人実効税率の高さにあり、日本の法人が海外に支店を設立し海外支店の所得が日本に合算された場合、海外支店所在国の法人実効税率と日本の法人実効税率の差分が税金コストの増額をもたらすことになりますが、外国法人については大半の国の法人実効税率は日本の法人実効税率より低いため、そのような税金コストの増加効果は生じないことによります。

また、特に拠点立ち上げ後しばらくの間は赤字が見込まれる場合においては、海外の親会社の黒字と日本で生じた赤字を相殺できるため、日本から海外への進出の際には子会社形態での進出と比較し特段のビジネス上の理由がない限りはあまり一般的に採用されているとはいえない支店形態での進出も海外から日本への進出の際には一考の価値があるものと考えられます。

 

6.恒久的施設(PE)を有することとなった場合の届出

国内にPEを有しない外国法人について、国内にPEを保有する外国普通法人に該当することとなった場合、人的役務の提供事業を開始した場合または法人税の課税対象である国内源泉所得で人的役務の提供事業に係る対価以外のものを有することとなった場合には、その外国普通法人はその該当することとなった日又はその開始した日もしくはその有することとなった日以後2ヶ月以内に、「外国普通法人となった旨の届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならないものとされております。

7.恒久的施設(PE)の事業年度

外国法人の事業年度は、原則として、外国の本店の会計期間で、法令又は定款等に定めるものをいい、その期間が1年を超える場合には、その開始の日以後1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、その1年未満の期間)いいます。

会計期間の定めがない外国法人は、上記の「外国普通法人となった旨の届出書」と同様2ヶ月以内に、会計期間を定めて納税地の所轄税務署長に届出をする必要があります。

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