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所得拡大促進税制の活用による節税について
(中小法人向け)

2019.7.7 所得拡大促進税制の活用による節税(中小法人)

各種優遇税制には税務上の恩典を与えることで企業の投資活動を促進するあるいは研究開発活動を後押しするといった政策上の目的が通常ありますが、所得拡大促進税制については給与等を増額させた場合に増加額のうち一定額については税額控除を認めることにより、企業の賃上げを支援することが所得拡大促進税制の目的になります。

本コラムでは、数ある優遇税制の中でも比較的利用効果の高い部類に入る税制である中小企業者向け措置としての所得拡大促進税制の概要及び適用上の留意点を解説致します。

なお、大企業向け措置としての所得拡大促進税制については、こちらのコラムをご覧ください。

所得拡大促進税制の中小企業者とは?

所得拡大促進税制の中小企業者向け措置が適用される中小企業者とは、以下のいずれかに該当する法人になります。

  • 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人でその発行済株式又は出資の総数又は総額の一定割合(1つの法人により50%又は複数の法人合計で3分の2)以上を大規模法人(資本金の額が1億円以上の法人、その他一定の法人)に所有されていない法人
  • 資本若しくは出資を有しない法人又は個人で、常時使用する従業員の数が一千人以下のもの

なお、2019年4月1日以降に開始する事業年度では、その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得の金額の年平均が15億円を超える法人は、この中小企業者の定義から外れるため、適用条件が大企業と同じになります。

また、この中小企業者に該当するかについては、適用を受ける事業年度終了の時の現況によって判定することとされております。

所得拡大促進税制の概要(通常の措置)

所得拡大促進税制は通常の措置と通常の措置に加え一定の要件を充足した場合に適用が可能となる上乗せ措置がありますが、まず通常の措置については継続雇用者給与等支給額が前年度比で1.5%以上増加した場合に国内雇用者に支払った給与総額についての前年度からの増加額の15%を法人税額の20%を上限として税額控除できる制度になります。なお、ここで国内雇用者及び継続雇用者の定義は以下になります。

  • 国内雇用者:法人又は個人事業主の使用人のうち、その法人又は個人事業主の国内に所在する事業所につき作成された賃金台帳に記載された者を指します。国内雇用者には、パート、アルバイト、日雇い労働者も含みますが、使用人兼務役員を含む役員及び役員の特殊関係者、個人事業主と特殊の関係のある者は含まれません。
  • 継続雇用者:以下の全てを満たす者を指します。
  1. 前事業年度及び適用年度の全ての月分の給与等の支給を受けた国内雇用者である
  2. 前事業年度及び適用年度の全ての期間において雇用保険の一般被保険者である
  3. 前事業年度及び適用年度の全てまたは一部の期間において高年齢者雇用安定法に定める継続雇用制度の対象となっていない。
  • 継続雇用者給与等支給額:継続雇用者に支払った給与等の総額

 

平均給与等支給額から継続雇用者給与等支給額への見直し

所得拡大促進税制については、平成30年度税制改正により見直しが行われており、改正前は、平均給与等支給額が前期よりも増加していることが要件でしたが、平成30年度改正により、「継続雇用者給与等支給額が前期より増加している」との要件に変更になりました。

これに伴い、期中での採用者・退職者の給与水準の影響を受けにくくなるとともに、計算が大幅に簡素化されております。

具体的には、以下の見直しが行われております。

【改正前】

①算定対象者

  • 継続雇用者(前期と当期いずれにおいても給与等を支給した月が1月以上あること)
  • 当期に一般被保険者であること

➡中途採用者や中途退職者においても、両期をまたがる場合は、在籍していた月数に応じて算定対象となる

②算定対象者における算定対象月

  • 算定対象者のそれぞれの期における一般被保険者であり、かつ、継続雇用制度(高齢者雇用安定法による65歳までの継続雇用)の対象でない月

【改正後】

以下全てを満たす者に係る給与等の支給額(継続雇用者給与等支給額)について、前期と当期において比較

  • 継続雇用者(前期及び当期の全期間で給与等の支給を受ける者)であること
  • 前期及び当期の全ての期間において一般被保険者であること
  • 前期及び当期の全て又は一部の期間において継続雇用制度の対象となっていないこと

上記の見直しの結果、両期全ての期間において一般被保険者として給与の支払を受けた従業員のみが対象となるため、対象者であるかどうかの判断が容易になるものとされております。

所得拡大促進税制の上乗せ措置

所得拡大促進税制には通常の措置にくわえて、一定の要件を充足した場合の上乗せ措置があり、適用要件を充足した場合、国内雇用者に対する雇用者給与等支給額の前事業年度からの増加額の25%を税額控除します。ただし、通常の措置と同様に調整前法人税額の20%が上限となります。

上乗せ措置の適用要件は、継続雇用者給与等支給額が前年度の継続雇用者給与等支給額と比べて2.5%以上増加しており、かつ、以下のいずれかを満たすこととなります。

  1. 適用年度における教育訓練費の額が前事業年度における教育訓練費の額と比べて10%以上増加していること。
  2. 適用年度終了の日までに中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けており、経営力向上計画に基づき経営力向上が確実に行われたことにつき証明がされていること

上乗せ要件①教育訓練費増加要件

上乗せ措置の適用要件の一つである教育訓練費が前事業年度の教育訓練費の額と比較して10%以上増加していることについて、対象となる教育訓練費の内容は以下になります。

  • 教育訓練の対象者

法人又は個人のその事業に係る国内雇用者。ただし、以下の者は対象外となります。

  1. 当該法人の役員又は個人事業主
  2. 使用人兼務役員
  3. 当該法人の役員又は個人事業主と特殊の関係のある者(①役員の親族、②事実上婚姻関係と同様の事情にある者、③役員から生計の支援を受けている者、④ ②又は③と生計を一にする親族)
  4. 内定者等の入社予定者(いまだ入社して給与が支払われていないため)

 

Ⅰ教育訓練費の対象となる費用

対象となる教育訓練費の範囲は以下になります。

(1)法人等が教育訓練等を自ら行う場合の費用(外部講師謝金等、外部施設使用料等)

①法人等がその国内雇用者に対して、外部から講師又は指導員を招聘し、講義・指導等の教育訓練等を自ら行う費用。

➡講義・指導等の内容は、大学等の教授等による座学研修や専門知識の伝授のほか、技術指導員等による技術・技能の現場指導などを行う場合も対象となります。

➡招聘①する外部講師等は、当該法人の役員又は使用人以外の者であること(当該法人の子会社、関連会社等のグループ企業の役員又は使用人でも可 

➡外部の専門家・技術者に対し、契約により、継続的に講義・指導等の実施を依頼する場合の費用も対象となります。

②外部講師等に対して支払う報酬、料金、謝金その他これらに類する費用。

③法人等がその国内雇用者に対して、施設、設備その他資産を賃借又は使用して、教育訓練等を自ら行う費用

➡当該法人の子会社、関連会社等のグループ企業の所有する施設等を賃借する場合も対象となります。

④施設・備品・コンテンツ等の賃借又は使用に関する費用

⑤教育訓練等に関する計画又は内容の作成について、外部の専門知識を有する者に委託する費用。

(2)他の者に委託して教育訓練等を行わせる場合の費用

①法人等がその国内雇用者の職務に必要な技術・知識の習得又は向上のため、他の者に委託して教育訓練等を行わせる費用であること。

➡他の者には、外部者だけでなく当該法人の子会社、関連会社等グループ内の教育機関等を含みます。

②教育訓練等のために他の者に対して支払う費用(講師の人件費、施設使用料等の委託費用)であること。

(3)他の者が行う教育訓練等に参加させる場合の費用(外部研修参加費)

①法人等がその国内雇用者の職務に必要な技術・知識の取得又は向上のため、他の者が行う教育訓練等(研修講座、講習会、研修セミナー、技術指導等)に当該国内雇用者を参加させる費用であること。

②他の者が行う教育訓練等に対する対価として当該他の者に支払う授業料、受講料、受験手数料その他の費用であること。

Ⅱ教育訓練費の対象とならない費用

以下の費用については教育訓練費の対象とはならないこととされております。

  • 法人等がその使用人又は役員に支払う教育訓練中の人件費、報奨金等
  • 教育訓練等に関連する旅費、交通費、食費、宿泊費、居住費(研修の参加に必要な交通費やホテル代、海外留学の居住費等)
  • 福利厚生目的など教育訓練以外を目的として実施する場合の費用
  • 法人等が所有する施設等の使用に要する費用(光熱費、維持管理費等)
  • 法人等の施設等の取得等に要する費用(当該施設等の減価償却費も対象外)
  • 教材等の購入・製作に要する費用(教材となるソフトウェアやコンテンツの開発費を含む)
  • 教育訓練の直接費用でない大学等への寄付金、保険料等

上乗せ要件②経営力向上要件

上乗せ措置の適用要件のもう一つの要件である経営力向上要件について経営力向上計画とは以下のものになります。なお上乗せ措置については、継続雇用者給与等支給額が前年度の継続雇用者給与等支給額と比べて2.5%以上増加していることが必須の要件になりますが、教育訓練費要件と経営力向上要件については、いずれかを充足すればよいこととされております。

経営力向上計画とは、中小企業等経営強化法に基づき、事業者がコスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、自社の経営力を向上するために実施する計画です。認定された事業者は、税制や金融の支援等を受けることができます。また、計画申請においては、経営革新等支援機関のサポートを受けることができます。

経営力向上計画の詳細については、以下の中小企業庁の「経営力向上計画策定手引き」をご覧ください。

給与総額が増加している企業は適用漏れに注意が必要

所得拡大促進税制等の優遇税制の大半のものは、毎期の申告時に適用要件を充足しているか確認し充足している場合には、決算申告時に適用を受けるための別表を提出する必要があり、申告期限到来後に過年度の申告分に遡る形で適用申請を行うことはできません。従って、給与の総額が増加している企業については、必ず毎期に適用要件を充足しているかを給与データをもとに確認する必要があります。中堅企業以下の企業様については、税務申告業務を税理士に委託しているケースが大半かと思われますが、税理士によっては所得拡大促進税制のような優遇税制全般にあまり馴染みがない税理士も決して少なくないことから、給与総額が増加しているにも関わらず税理士からの説明がない企業においては、適用漏れの可能性があることに留意が必要になります。

当事務所では、所得拡大促進税制のような優遇税制の適用に関する支援も行っておりますことから、興味をお持ちの企業様については是非お声がけ頂ければと存じます。

優遇税制に興味をお持ちの方は以下も御覧ください。

研究開発費の税額控除による節税について

中小企業経営強化税制の活用による節税について

 

【当事務所サービス】                              当事務所では、所得拡大促進税制に関する以下のようなサービスを提供しておりますので、お困りの際は随時以下のお問合せフォームよりご連絡ください(ご相談については、本契約締結までは無料になります)。                          

  • 所得拡大促進税制の適用要件の検討・アドバイス
  • 適用要件を充足した場合の法人税申告書作成

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