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租税条約の特典制限条項について
(国際税務コラム_2019/9/16)

租税条約は、原則として、相手国の居住者に対して一律に適用されるものになりますが、近年「適格者」という概念を用い、一定の要件を充足した「適格者」のみに適用を認める租税条約が増加しております。こうした要件を定める条項は、「特典制限条項(LOB:Limitation of Benefits)」とよばれますが、この特典制限条項の詳細である適格者の要件は各租税条約により異なります。

租税条約による恩典が特典制限条項による制限なしに一律にいずれか一方の国の居住者に対して与えられた場合には、たとえば日本と米国との間の租税条約を考えた場合、第3国の居住者が日本法人からロイヤルティを受領する場合に、米国内にペーパーカンパニーを設立し日米租税条約の適用を受けることにより日本におけるロイヤルティ支払時の源泉税を回避するといった取引を行うことが可能となりますが、特典制限条項はこのような者に対してまで租税条約の恩典を与えることは必ずしも適当ではないという考え方により設けられた制度になります。

このコラムではこの租税条約の特典制限条項について、日本にとって特典制限条項を定めた最初の租税条約である日米租税条約を具体例として解説致します。

日米租税条約における特典制限条項

日米租税条約では、具体的に以下のいずれかに該当する場合に限り、租税条約の恩典を受けることができるものとされております。

  1. 適格者基準
  2. 能動的事業基準(適格所得)
  3. 権限のある当局による認定
適格者基準とは

日本または米国の居住者が以下のいずれかに該当する場合については、原則として租税条約の恩典を受けることができるものとされております。

  1. 日本または米国の居住者である個人
  2. 日本または米国の政府、地方政府もしくは地方団体、日本銀行または連邦準備銀行
  3. 日本法人または米国法人である一定の上場会社
  4. 3の子会社である日本法人または米国法人
  5. 日本または米国の法律に基づいて組織された公益団体(専ら宗教、慈善、教育、科学、芸術、文化等の公の目的のために設立され維持されるもの)
  6. 年金基金(直前の課税年度終了の時において、その受益者等の50%を超えるものが日本または米国の居住者である個人である年金基金に限る)
  7. 個人以外の者で一定の要件を満たすもの(非上場会社、法人課税されるパートナーシップ等で一定の要件を満たすもの)

上記のうち、7の個人以外の者で一定の要件を満たすものとは具体的には、以下の2要件を充足するものとされております。

(a)その者の各種類のその他の持分の50%以上が上記1,2,3,5,6に掲げる適格者により直接又は間接に所有されていること

(b)以下の判定式で計算された結果が50%未満であること

日米以外の者に対する支払で課税所得計算上損金算入される額(注)÷総所得

(注)事業上通常行われる役務提供または有体財産の譲渡対価のうち独立企業間価格で行われた取引に係る支払については除きます。

能動的事業基準(適格所得)とは

上記の適格者基準を充足しない場合においても、日本または米国の居住者は、他方の国において稼得する所得について、次の要件を充足する場合には租税条約の恩典を受けることができるものとされております。

  1. その居住者とされる国において営業活動または事業活動を行っていること
  2. その所得が1の営業活動または事業活動に関連または付随して稼得されるものであること

ただし、上記の営業または事業の活動が、その居住者が自己の勘定のために投資を行いまたは管理する活動(商業銀行、保険会社又は登録を受けた証券会社が行う銀行業、保険業又は証券業の活動を除く)である場合には、この基準は適用されないこととなります。

また、日本又は米国の居住者が他方の国において営業又は事業の活動から生じる所得を有する場合に、能動的事業基準を充足するためには、その者が居住者とされる国において行う営業活動または事業活動と他方の国において行う営業活動又は事業活動との関係が実質的なものであることが必要になります。営業活動又は事業活動との関係が実質的なものであるかは、すべての事実及び状況に基づいて判断されることになります。

権限ある当局の認定

日本または米国の居住者が適格者基準及び能動者基準のいずれにも該当しない場合においても、権限のある当局が、その居住者の設立、取得又は維持及びその業務の遂行が条約の恩典を受けることをその主目的の1つとするものではないと認定したときは、租税条約の恩典を受けることができます。

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