OECDモデル租税条約によると、「「使用料」とは、文学上、美術上若しくは学術上の著作物(映画フィルムを含む。)の著作権、特許権、商標権、意匠、模型、図面、秘密方式若しくは秘密工程の使用若しくは使用の権利の対価として、又は産業上、商業上若しくは学術上の経験に関する情報の対価として受領されるすべての種類の支払金をいう。」とされており、著作権や特許権といった権利の使用に対して支払われる対価が「使用料」に該当することになります。なお、コンピュータ・ソフトウェアは、著作物として著作権法による保護の対象になるため、このようなコンピュータ・ソフトウェアを用いた取引について支払われる報酬もまた取引の内容によっては、「使用料」の範囲に含まれることに留意が必要になります。
このコラムでは、この「使用料」について国内税法及び租税条約の取り扱いを解説致します。
非居住者及び外国法人との取引に係る課税関係を検討する際には、国内税法及び租税条約の取り扱いを検討する必要があります。国内税法と租税条約の関係について詳しくは以下のコラムをご覧ください。
まず国内税法における非居住者・外国法人に対する「使用料」支払時の源泉徴収になりますが、国内税法では、非居住者・外国法人に対する使用料支払時に20.42%の税率で源泉徴収を行うこととされております。
非居住者・外国法人に対する国内税法における源泉徴収税率については、国税庁の以下のサイトをご覧ください。
次に租税条約の取り扱いになりますが、日本との間に租税条約を締結している主な国の取り扱いは大きく以下の3つに分類されます。
使用料支払の際の源泉税が免税の国・地域:アメリカ、イギリス、オランダ、スイス、スウェーデン、フランス等
使用料支払の際の源泉税率が5%の国・地域:オーストラリア、ニュージーランド、ポルトガル、香港
使用料支払の際の源泉税率が10%の国・地域:イタリア、インド、インドネシア、カナダ、韓国、シンガポール、スペイン、中国、デンマーク、ドイツ、ベルギー等
上記のように主要国との間に締結されている租税条約においては、日本の国内税法の源泉徴収税率よりも低い限度税率が設定されております。従って非居住者・外国法人に対して「使用料」の支払いをする際においては、租税条約を確認し条約を適用することにより有利な取り扱いを受けることができる場合においては、「租税条約の届出書」を提出することにより租税条約の適用を受けることが必要になります。
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