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連結納税制度概要(2019/5/1)

連結納税制度概要_目次

1.連結納税制度とは?

連結納税制度とは、親法人とその親法人との間に100%資本関係のある子法人(「完全支配関係」といいます)との間で構成されるグループを一つの納税主体として、そのグループの所得の金額を合算して申告する制度になります。本来法人税の申告は単体での申告・納税を原則としておりますが、連結納税制度は100%資本関係下の企業グループを一つの納税主体として、その所得を合算してグループとしての申告を行うものになります。

連結納税を行うことの最大のメリットは、100%資本関係グループ企業の中で黒字の法人と赤字の法人が存在する場合には、当該黒字の法人と赤字の法人の所得を通算することにより、企業グループ全体での所得及び法人税額を単体納税のもとで計算した場合と比較し、節減することができることによるものになります。

なお連結納税制度活用のメリットとデメリットについては、以下のコラムもあわせて御覧ください。

連結納税制度活用のメリットとデメリットについて

2.連結納税制度の申請・承認等

連結納税制度の適用を受ける場合には、次の区分に応じてその申請期限までに親法人及びその親法人による完全支配関係がある全ての子法人の連名で、「連結納税の承認の申請書」、付表1「連結親法人となる法人の主要株主等の状況」及び付表2「発行済株式等の状況」に必要な事項を記載し、以下の添付書類を添付の上親法人の納税地の所轄税務署長を経由して、国税庁長官に提出し、承認申請をすることが必要です。必要な添付書類は以下になります。

【添付書類】

  • 出資関係図(連結子法人となる法人に対する持株割合を記載した出資関係図)
  • グループ一覧(連結親法人となる法人及び全ての連結子法人となる法人を記載した一覧表)

なお、連結納税の承認申請後みなし承認日までに承認又は却下の処分がなされなかった場合には、みなし承認日において承認があったものとみなされます。

それぞれの区分ごとの申請期限及びみなし承認日は以下になります。

1.原則

申請期限:最初にその適用を受けようとする親法人の事業年度開始の日の3ヶ月前の日まで

みなし承認日:最初にその適用を受けようとする親法人の事業年度開始の日

2.親法人の設立事業年度から適用を受けようとする場合(特例)

申請期限:次のうちいずれか早い日

イ:設立事業年度開始の日から1月を経過する日

ロ:設立事業年度終了の日から2月前の日

みなし承認日:承認申請書を提出した日から2月を経過する日

3.親法人の設立事業年度の翌事業年度から適用を受けようとする場合(特例)

申請期限:次のうちいずれか早い日

イ:設立事業年度終了の日

ロ:翌事業年度終了の日から2月前の日

なお、連結納税の承認申請書類については以下の国税庁のサイトをご覧ください。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/renketsu/annai/01.htm

3.連結納税制度の承認の取り消し・適用の取りやめ

連結法人が以下の事由に該当することとなる場合、国税庁長官は、その事実がある連結法人の承認を取り消すことができることとされております。

  1. 連結事業年度に係る帳簿書類の備付け、記録又は保存が適正に行われていないこと
  2. 連結事業年度に係る帳簿書類の備付け等に関する国税庁長官、国税局長又は税務署長の指示に従わなかったこと
  3. 連結事業年度に係る帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し又は仮装して記載し又は記録していることなど、その記載又は記録をした事項の全体についてその真実性を疑うに足りる相当の理由があること
  4. 連結確定申告書をその提出期限までに提出しなかったこと

なお、上記の事由以外に他の内国法人による連結親法人に対する完全支配関係が生じたこと等一定の事由が生じた場合には、連結納税の承認が取り消されたものとみなされます。

次に、一度承認を受けた連結納税の適用を連結法人から取りやめることについては、子会社が相当数増加し事務負担が著しく過重になると認められる等やむを得ない事情が生じた場合に限られるものとされており、一度承認を受けた連結納税の適用を取りやめることは容易にはできないことに留意することが必要です。

4.連結納税制度における申告・納付手続

連結納税の適用期間中は、原則として連結事業年度ごとに申告・納税を行います。この連結事業年度とは、連結親法人の事業年度開始の日からその終了の日までの期間をいい、連結親法人と事業年度の異なる連結子法人は自社の事業年度ではなく、連結事業年度の期間に従い申告・納税を行うこととなります。

連結親法人及び連結子法人は各連結事業年度において、以下の書類を連結事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内(一定の事由に該当する場合、申請により原則として2ヶ月間延長可能)にそれぞれの法人の所轄税務署長に対し提出します。連結親法人だけでなく、連結子法人の側でも手続きが必要となることに留意が必要です。

連結親法人:連結確定申告書

連結子法人:連結子法人の個別帰属額の届出書

上記のように申告手続きについては、連結親法人だけでなく連結子法人もそれぞれの所轄の税務署長に対し手続きを行うこととなりますが、納付については連結親法人が申告書の提出期限までに連結納税グループ全体で発生した連結所得に対する法人税額(各連結法人の個別帰属額の合計)を納付することとなります。

連結親法人が納付する連結所得に対する法人税額のうち、各連結子法人は所轄の税務署長に提出した連結子法人の個別帰属額面の届出書に記載された金額を連結親法人に対し支払うべきこととなります(還付の場合は受取)が、当該精算を実際に連結納税グループ内で行うかについては任意とされております。

連結子法人の個別帰属額の届出書については、以下の国税庁のサイトで雛形を確認することができます。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/renketsu/annai/07.htm

 

5.連結納税制度における連結所得及び法人税額の計算

連結納税制度のもとでは、各連結法人の所得金額を合算した連結所得金額に法人税率を乗じるこことにより連結所得に対する法人税額を計算します。

各連結法人の所得金額については、基本的には単体納税制度での計算と同様になりますが、受取配当金の益金不算入額の計算や外国税額控除の控除限度額の計算等一部の事項については連結納税グループ全体で計算した結果が各連結法人に割り当てられたることとなります。

各連結事業年度において連結所得の金額が欠損となった場合には、連結欠損金の金額として繰越、欠損が生じた事業年度から10年以内の期間において繰越控除前の連結所得の金額の50%を限度として各連結事業年度において損金の額に算入することができます。

連結納税適用前に生じた欠損金については、連結親法人で連結納税を適用する事業年度開始の日前10年以内に開始した各事業年度で生じた欠損金については、連結納税開始後において連結欠損金額とみなされます。

一方、連結子法人で連結納税適用前に生じた欠損金については、連結納税適用時に原則として切り捨てられることとなりますが、当該連結子法人と連結親法人との間の完全支配関係が連結納税適用開始の5年以上前に生じたこと等一定の要件を充足する場合には、特定連結欠損金として欠損が生じた事業年度から10年内の期間において当該連結子法人で生じた個別所得の金額を限度として損金の額に算入することができます。

6.連結納税制度開始・加入時における時価評価損益の計上

連結納税制度を適用することとなる連結子法人は、連結開始直前事業年度(単体納税における最終の申告事業年度)終了の時に有する時価評価資産の評価益又は評価損を、その事業年度の所得の金額の計算上、益金の額又は損金の額に算入することとなります。

この制度は、含み損がある資産を保有する子法人を連結納税制度に加入させたうえで、連結納税制度適用後に当該含み損の金額を実現させることによる意図的な所得逃れを防ぐことを意図してるものと考えられます。

なお、連結納税制度開始・加入時における時価評価損益について詳しくは以下のコラムをご覧ください。

連結納税制度開始・子法人加入に伴う資産の時価評価について

 

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