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移転価格税制_推定課税

2018.9.30 移転価格税制の税務調査における推定課税について

移転価格税制対応の中で最も負担が大きいと考えられるのは移転価格文書(ローカルファイル)を作成することとなりますが、その移転価格文書(ローカルファイル)を作成する目的の一つとして税務調査における推定課税を回避することがしばしば挙げられます。

この税務当局による推定課税とは、納税者が法令上作成が求められる国外関連取引が独立企業間価格で行われたことを疎明する書類である移転価格文書(ローカルファイル)を税務当局からの提出要請後の所定の期間内に提出しなかった場合、税務当局が独自に独立企業間価格を算定し、それに基づいて課税を行うものであります。

推定課税の建付けとしては調査官が再三にわたり情報提示を求めてもこれに応じなかったため、やむを得ず税務当局が独立企業間価格を算定し課税するものであるため、仮に推定課税を行われた場合には納税者の反論の余地は非常に限定されることとなります。

このコラムでは、この推定課税についての概要につき解説致します。

移転価格文書(ローカルファイル)の同時文書化義務の創設

2016年度の税制改正により、移転価格文書(ローカルファイル)に関する同時文書化義務が創設され、法人が国外関連者との取引について法人が国外関連者との取引を行う際、もしくは確定申告書を提出する際に利用可能な最新の情報に基づいて移転価格文書(ローカルファイル)を作成し、保存しなければならないことが明確化されました。

具体的には、一の国外関連者との取引において以下のうちのいずれかの要件を充足する場合には、移転価格文書(ローカルファイル)を確定申告書提出期限までに作成または取得して、原則として7年間(欠損金額が生じた事業年度に係る書類については10年間)、納税地又は国内の事業所その他これらに準ずるものの所在地に保存しなければならないものとされました。

  1. 国外関連取引の合計金額が50億円以上
  2. 無形資産取引の合計金額が3億円以上

なお、移転価格文書(ローカルファイル)については、税務調査等で特段提示を求められない限りにおいて自社内に作成・保存していればよく、税務署に対して確定申告書提出時に同時に提出する必要はなく、また後述の推定課税の規定を除き仮に作成・保存していなかった場合でも、作成・保存していなかったことそのものに対する罰則規定のようなものはございません。

移転価格文書については、以下のコラムもあわせてご覧ください。

移転価格文書化制度概要

平成28年度税制改正による移転価格新文書化制度概要

移転価格の税務調査における推定課税

移転価格の税務調査における推定課税の規定は2016年度の税制改正前から存在しており、2016年度の移転価格文書(ローカルファイル)の同時文書化義務の創設により、新たに導入された規定ではありません。

従って同時文書化義務創設の意義は、税務調査で調査官から移転価格文書(ローカルファイル)の提出が求められた場合において、移転価格文書(ローカルファイル)を調査官から提示された所定の期間内に提出しなければならないことが従前と比較しより明確化されたものと考えられます。

すなわち同時文書化義務が創設されたことにより、確定申告書の提出期限までに移転価格文書(ローカルファイル)作成し保存していることが国外関連取引を行う会社の義務とされたことから、税務調査が行われ調査官が移転価格文書(ローカルファイル)の提出を調査対象会社に依頼した場合においては、予め移転価格文書(ローカルファイル)を作成・保存している以上当然に調査官指定の期限内に提出しなければならないこととなるということができるかと思われます。

なお、仮に同時文書化義務の対象外取引であっても推定課税の対象外となる訳ではなく、調査官から移転価格文書(ローカルファイル)の提出を求められた場合に調査官指定の期限内に移転価格文書(ローカルファイル)を提出できなった場合においては、推定課税が行われるリスクは引き続き存在することとなります。

また、移転価格文書の範囲には調査対象法人及び国外関連者の当該国外関連取引に関する切出損益も含まれ、税務調査において調査官から提示が求められた場合においては、調査対象法人分だけでなく国外関連者分についても税務当局に対し提出する必要があることに留意する必要があります。

なお、移転価格文書(ローカルファイル)の構成及び文書化作業の進め方、切出損益については以下のコラムもあわせてご覧ください。

移転価格文書(ローカルファイル)の構成及び文書化作業の進め方はこちら

切出損益についてはこちら

【当事務所サービス】                              当事務所では、移転価格税制に関する以下のようなサービスを提供しておりますので、お困りの際は随時以下のお問合せフォームよりご連絡ください(ご相談については、本契約締結までは無料になります)。                          

  • 海外子会社との取引実施の際の取引価格についてのルール(移転価格ポリシー)設定の際のアドバイス
  • 移転価格税制対策のための社内関係部署の協力体制を構築するための社内の勉強会及び社内マニュアル作成支援
  • 移転価格文書(ローカルファイル)作成支援

 

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